岩手県米崎における新進気鋭の牡蠣生産者、大和田信行さんの挑戦
こんにちは。牡蠣の会の泉です。
2018年5月12日(金)・13日(土)と岩手県陸前高田に行ってきました。陸前高田は牡蠣の会でも何度も訪れている牡蠣産地です。
以前訪れた様子が地元新聞でも取り上げられました。
今回は、岩手県陸前高田・広田湾の牡蠣筏にお酒などを沈める【広田湾海中熟成プロジェクト】にご招待いただきの参加でした。
この 2日間凄く濃い内容だったので、前編と後編で分けて報告しますね。
目次
牡蠣生産者交流会
5/12(金)夜
参加生産者
佐々木学さん(米崎)、大和田信行さん(米崎)、中野兄弟 (気仙町)大和田光晴さん(広田)、鍛治川直広さん(ぶらり気仙)、泉祥子 (牡蠣の会)
地元に愛される居酒屋・ダイニングしば多にて開催されました。
ここは陸前高田に来るたびに飲みに行くお店です。牡蠣の生産者や関係者、ほか東京など他地域からもお客様が集まるお店として有名です。
もちろん、ここでも牡蠣が食べられます。
私は東京でひと仕事終え、新幹線→バス→車(途中迎えに来ていただき)と乗り継いで約5時間、交流会場のしば多さんに到着しました。
今回参加の生産者さんは、ぶらり気仙代表・鍛治川さんのお声がけで集まった、今勢いが半端ない生産者たちです。
着いて「こんばんは!」と挨拶をと思ったら、もう飲んでるw
好きです!こういうのw
以前、牡蠣意見交換会でお会いした方と初めてお会いする方、久しぶりということもあり、最初はたわいもない話 「元気ですか?」とか「東京の牡蠣事情はどうですか?」とか「FB 見てますよ」とかだったのですが、
やはり漁師さん、酒を飲めば飲むほど、牡蠣の話はヒートアップしていきます。
- 自分のブランドの牡蠣を認知させたい
- 牡蠣を作っているということを知ってほしい
- 今は無知かもしれないけど、可能性を買ってほしい
- シングルシードの取り組み
これは牡蠣の赤ちゃんを剥がす器具。冷凍庫の氷をパリパリって剥がし落とすような仕組みです。
- まだ、世に出ていない生産者がもがいて、試行錯誤している
- 漁協任せから脱却したい
お互い真剣だからこそ言える話
信頼しているからこそ言える立場
私は提供側から見た陸前高田の牡蠣の話
全国視察してきて見て来たものを漁師の皆さんにシェアしました。
熱いです!!
お店「代行が来ました!」
一同「・・・・・」
お店「すみません、もうそろそろ」
一同「時間が足りないねー」
名残惜しい気持ちで解散しました。
この熱い気持ちを伝えたい♡
牡蠣をいただきました特大サイズ3つ!
こちらは佐々木学さんの作った「雪解け牡蠣」です。大きいのにくどくない感じ。好きです。
新たな試みに挑戦中の生産者・大和田信行さん
5/13(土)
メインイベントである「海底熟成プロジェクト」までの間、前日交流会で一緒 だった大和田信行さん(米崎)の海・牡蠣を視察させていただきました。
信行さんの牡蠣は、佐々木学さんと同じ米崎にあります。
通常の牡蠣と一緒に新たな試みをしているというので、その様子を紹介しますね。
信行さんは元々システムエンジニアでした。
東京や大阪でも仕事をしていたそうです 信行さんは『みんなの夢 award in 陸前高田 2018』というビジネスコンテストで、なんと!ファイナリストに残りました!
プレゼン内容は「牡蠣養殖革命による近代化とイタボ牡蠣の養殖実現」です。 岩手県で唯一、そして東北地方で唯一イタボ牡蠣養殖に挑戦し続けています。
そもそもイタボ牡蠣とは、
イタボガキ(板甫牡蠣)Ostrea denselamellosa
〜カキ目イタボガキ亜目カキ上科イタボガキ科の二枚貝、別名ボタンガキ〜
分布 | 日本:太平洋側-南房総半島以南内海、日本海側-北海道南部以南 世界:南シナ海-ベトナム、マレーシア、大陸中国、台湾、韓国 |
形状 | 円形、平たい、フランスのブロンのよう |
子孫の増やし方 | 卵胎生-母体内で卵から孵化した後に海中へ生み出される。 (真牡蠣は精子と卵子を海中に吐き出し海中受精する。) |
用途 | 食用、胡粉(ごふん)-日本画に用いる白色絵具で岩絵具の一種。室町時代以降現代まで用いられている。 |
味 | 独特の嫌味のないエグ味がある。鉄分を感じる。外套膜の⻭ごたえと貝柱の弾力。合わせるお酒はワインまたはウィスキー。 |
そんなイタボガキを岩手県陸前高田で養殖実験をしています。
実際に船に乗せていただき、信行さんのイタボガキに会って来ました。
船を運転する信行さん
念願のイタボガキに会える!
ワクワク♪
逢えた!
まずは上から。
上殻と下殻の境目
真横から(右が蝶番)
オープン!貝柱太いねー!イタボガキの特徴です。
このイタボガキは3年ものだそう。
実験を重ねながら本格出荷を目指しています!
楽しみですね。
牡蠣の会としても、超応援します!!
続いて、信行さんの牡蠣を見させていただきました。
バスケットにバラした牡蠣を入れて、それを3段連ねて、吊るしています。
バスケットに入れると波の揺れでコロコロ丸くなるんです。
中身もびっしり詰まってますね〜。
イタボガキ(左)・真牡蠣(右)を持った信行さん。
最後にとっておきの牡蠣を見せていただきました
シングルシードの実験牡蠣です。
信行さんのシングルシード牡蠣のお披露目!
その名も「PECCO OYSTER」です。
岩手の方言で「可愛い」を「ペッコ」って言うんですって。
目の細かいネットを吊るしています。
中には可愛いベイビーオイスターが^^
親指の腹くらいの牡蠣。
中には金色に輝くゴールデンオイスターも。
漆黒に輝くディープブラックオイスターも。
中身はこんな感じです。
イタボガキといい、PECCO OYSTERといい、信行さんがなぜ実験をし続けるのかを聞いてみました。
信行さん曰く「未来のために」
たった一言のこの言葉
奥が深いです。
将来はもっとシステマチックに牡蠣養殖をしていきたいそうです。元システムエンジニアの信行さんだから発想できる未来設計図なんだろうな。
そういえば「将来 AI で牡蠣を作りたい」って言ってる東京の IT 屋さん(牡蠣に目覚めた男)を思い出しました。
素敵なコラボレーションが出来そうだわと妄想してます。
後半へ続く。。。

泉 祥子

最新記事 by 泉 祥子 (全て見る)
- 【お詫び】牡蠣大楽生廃止のお知らせ - 2019年4月17日
- 広田湾海中熟成プロジェクト - 2018年6月10日
- 岩手県米崎における新進気鋭の牡蠣生産者、大和田信行さんの挑戦 - 2018年6月4日
コメントを残す